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透析看護って何するの?(薬剤編)

腎臓の働き

①水分の調整
②老廃物の排泄
③電解質の調整
④血液を弱アルカリ性に保つ
⑤血圧の調節
⑥エリスロポエチンの産生
⑦ビタミンD3の活性化
⑧不要になったホルモンの分解・排泄

①~⑤は透析で補いあます。⑥⑦は薬剤で補います。

詳しくはこちらの記事でどうぞ。

透析看護って何するの?(基礎知識)

薬の排泄

薬は主に腎臓で排泄されて消失するものと、肝臓で分解されて消失するものの2種類に分けられます。

そのため、腎臓から排泄されやすい薬物は腎機能が低下した患者では体内に蓄積しやすく、中毒性副作用が出現しやすくなります。

よって、腎機能に応じて投与量を考慮する必要があります。

透析性について

・血液透析治療は透析液と透析膜を利用して腎臓の機能を代行するものです。

⇒血液透析中は透析膜を容易に通過できてしまう薬も一緒に除去してしまいます。

そこで透析で扱う薬を知っておきましょう

透析されにくい薬とは・・・

①蛋白質と結合しやすい薬
(蛋白質結合率が90%以上の薬)
②組織に移行しやすい薬
(分布容積が大きい薬、脂溶性の薬)
⇒血中よりも組織内濃度が高いため完全には除去されないです。
③分子量が大きい薬
組織に移行しにくい薬は血中に高濃度で存在するため、血液透析では除去されやすいです。
蛋白結合率が低い薬や分子量の小さい薬も一般的に透析されやすいです。
透析されやすい薬は水溶性の薬で、腎臓から排泄されやすい薬が多いです。
腎不全のために体内に蓄積して副作用を起こしやすい薬は、一般的に透析されやすいといえます。

透析されやすい薬とは・・・

①組織に吸収されずに血液中に残っている薬
②蛋白結合率が低い薬
③分子量の小さい薬
④水溶性の薬
⑤腎臓から排泄される薬
つまり透析治療は腎臓の働きを代用しているため、腎臓排泄の薬に対し透析されやすいです。

分布容積と蛋白結合率が考慮すべき2大要因

分布容積    ⇒ 分布容積(Vd)÷遊離型分率が大きな薬物は除去効率が悪い

蛋白結合率    ⇒ 蛋白結合率が高い薬物(約80~90%以上)は除去されにくい

分子量      ⇒ 分子量が500(ダルトン)以下の薬物は除去されにくい

⇒ 高性能膜では分子量が5000まで可能

ダイアライザー  ⇒ ポアサイズが大きなものや、高性能膜では除去されやすい

溶解性      ⇒ 水に溶けにくい薬剤は透析膜を通過し難く除去されにくい

血液凝固カスケード
血液の凝固は内因性および外因性のカスケードが活性化されることによりトロンビンが生成され,さらにトロンビンがフィブリンに補強され終了します。

透析中使用する抗凝固剤

ヘパリン

ATⅢを活性化し,抗Xa作用や抗トロンビン作用を発揮

ヘパフィルド

20ml=3000単位

20ml=4000単位

20ml=5000単位

作用時間 1~2時間

ノボ・ヘパリン    

1ml= 1,000単位

ヘパリンNa

1ml=250単位

長期間使用すると…

①Caとの結合が強いことから骨粗鬆症や骨折の原因になる
②  血漿中にリポ蛋白リパーゼ(LPL)が出現し,血液中の中性脂肪を分解し遊離脂肪酸が急激に増加する
③  血小板活性化作用とともに血小板第Ⅳ因子の放出をもたらすことから,これに対する抗体の出現により血小板が減少するヘパリン起因性血小板減少症(HIT)があらわれる

適応:出血性疾患のない安定維持患者

欠点:出血助長作用

*AT-Ⅲは血液中にあるタンパク質で血液が固まるのを抑える働きがあります。

低分子ヘパリン

ヘパリンを分画して生成され,分子量4,000~6,000(ダルトン)と狭い範囲内に低分子化されています。

フラグミン

1ml=1,000単位

3000⇒1ml=150単位

4000⇒1ml=200単位

作用時間 2~3時間

軽度の出血傾向や長期にわたる出血予防の患者に使用

ミニへパ

2000⇒1ml=100単位

フサン(ナファモスタット塩酸塩)

分子量薬約540(ダルトン)の合成蛋白分解酵素阻害薬

分子量が小さいため透析で約40%が除去されます。
抗トロンビン作用はAT-Ⅲ(アンチトロンビン)を介さずに発現するためヘパリンや低分子ヘパリンと異なりAT-Ⅲ欠乏でも抗凝固作用が得られます。
作用時間は5~8分です。
したがって,体外循環回路内のみで抗凝固効果を発揮するため出血性合併症を有する患者や周術期の体外循環用抗凝固薬としての現時点で最も有効かつ安全な薬剤です。

・生理食塩水に溶解性が低く薬剤が沈殿するため,持続注入時の溶媒には溶解性のよいブドウ糖溶液を使用します。

・ブドウ糖で希釈したフサンは1時間に4mlで注入する設定,4時間透析では全体量が16ml必要。しかし,フサンの効果を考えると脱血直後からフサンの注入が必要な為,ヘパリンラインの1ml分を満たしておかなければならないです。
よって,ヘパリンラインの1mlを余分に準備します。

ノバスタン(アルガトロバン)

分子量526(ダルトン)の合成抗トロンビン薬

AT-Ⅲを介さずに単独でトロンビン作用を阻害します。

肝代謝で透析性はありません。

残血はヘパリンよりもやや多いです。

ATⅢ欠乏症を合併し、ヘパリンでは体外循環路の残血が改善しな場合に使用します。

《使用方法》

透析開始時に10mg、

5~40mg/時を回路内に継続投与

作用時間 30分

血液透析における抗凝固薬としての保険適応はありませんでしたが、2011年5月,新たにⅡ型HIT患者における体外循環時の抗凝固薬としての適応が追加されました。

患者説明ポイント

抗凝固薬って何に効く薬?

透析では血液を体の外に出して(体外循環)、腎臓の代わりになります。

ダイアライザーを通して毒素や水分を除去しています。
一度、体の外にでた血液は、そのままでは固まってしまうので(凝固)、血液が固まらないように、抗凝固薬を注射しながら透析を行っています。

副作用チェック

血液が固まるために必要な因子のうち,おもにトロンビンのはたらきを抑えるため、この薬を使用していると血が止まりにくくなります。

他に注意したいこと

ほかの病医院にて抜歯や手術などをする場合,抗凝固薬を使用していること(=血液透析を行っていること)を医師や薬剤師に申し出てください。

透析時使用する薬剤

血圧を上げる薬

リズミック(メチル硫酸アメジニウメ)

≪ 特徴 ≫

体内で血圧を上げる作用をしているノルアドレナリンというホルモンが末梢組織で壊されるのを防ぐことで、ノルアドレナリンの血圧上昇作用を持続させます。
その働きにより、体質的に血圧の低い本態性低血圧症や、急に立ち上がったときに血圧が下がりすぎてしまう人や、人工透析時に起こりやすい低血圧に用いて血圧を安定させ維持するのに効果があります。

≪ 副作用 ≫

動悸、のぼせ、頭痛、吐き気、胸やけなど胃腸症状や発疹、湿疹などの過敏症が現れることもあります。

≪ Tmax ≫

約1.7~2.7時間

≪ 半減期 ≫

約12時間

≪ 透析性 ≫

分布容積が大きいため透析されにくいです。

ドプス(ドロキシドパ)

≪ 特徴 ≫

ノルアドレナリンの前駆物質であり、吸収されると体内で脱炭酸酵素によりノルアドレナリンに変換され昇圧効果を示します。

≪ 副作用 ≫

吐き気、食欲不振、胃痛(胃部不快感等)、血圧上昇、頭痛、頭重感、幻覚、めまい、動悸、倦怠感、皮膚や粘膜(特に唇、手足の爪)が青紫色になる、発疹、かゆみなどが報告されています。

≪ Tmax ≫

約4~6時間

≪ 半減期 ≫

約1.5時間

《透析患者への投与方法》

透析開始30分から1時間前の服用で透析後の起立性低血圧に効果があります。

保険適応は透析後の起立性低血圧です。

メトリジン(ミドドリン塩酸塩)

≪ 特徴 ≫

心臓、脳血管系に作用せず、血管平滑筋の交感神経α1受容体を刺激することで、血管を収縮させます。
α1受容体に選択的に作用するので選択的α1受容体刺激薬と呼ばれています。

≪ 副作用 ≫

主な副作用として、頭痛、悪心、腹痛、発疹、立毛感、掻痒感、蕁麻疹、発赤などが報告されています。

≪ Tmax ≫

1~2時間

≪ 半減期 ≫

約1時間

≪ 透析性 ≫

分布容積が小さいため透析で除去されやすいです。

グリセノン

≪ 効能または効果 ≫

眼圧や脳圧を下げ、血流の流れを良くします。

透析時使用する場合は、血漿浸透圧を上昇させることで、細胞や間質の水分を血管内に移行させ、血管内の水分量を増やし血圧を上げます。
心機能の悪い患者には心不全にならないように慎重投与します。また、透析を始めたことで血液中の老廃物が急激に除去され、脳の細胞液の濃度バランスが崩れることで起こる不均衡症候群の対処にも使用します。

≪ 透析性 ≫

透析で除去されます。

エホチール(エチレフリン塩酸塩)

≪ 特徴 ≫

交感神経興奮様薬

β-受容体に作用して心拍出量を増加させるとともに,血管平滑筋を拡張させます。血圧は上昇します。

≪ 副作用 ≫

発疹、口渇、悪心、食欲不振、胃腸障害、心悸亢進、徐脈、胸内苦悶、血圧異常上昇、呼吸困難、不眠、頭痛、振戦、頭痛、脳出血、肺水腫

≪ Tmax ≫

約20~30分

≪ 半減期 ≫

約2時間~3時間

≪ 透析性 ≫

分布容積が大きいため透析されにくいです。

アルブミン

≪ 特徴 ≫

アルブミンは正常人血漿蛋白のうち約60%を占める量的に最も多い蛋白で、血漿膠質浸透圧の約80%を担い、水分を保持する(1gのアルブミンは約20mLの血漿を増加させる)ことにより循環血液量を調節しています。
正常血漿のアルブミン濃度を40mg/mLとすると,約6倍の高濃度(25%)溶液で、薬剤の投与により血中の膠質浸透圧を高め,組織中の体液を血管内に移行させることにより循環血漿量を増加し、体液循環が改善されます。
血漿浸透圧の作用により血圧を上げる。低アルブミン血漿や高度の肺水腫、腹水及び、低血圧が見られる場合使用することがあります。

≪ 副作用 ≫

呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、脈拍微弱、チアノーゼ等

≪ 透析性 ≫

分子量が大きく透析で除去されないです。

ドパミン・クリトパン

≪ 特徴 ≫

心臓の機能低下や大量出血によっておこるショック(急性循環不全)の治療薬心臓の収縮力を高めて血圧を上げたり、腎臓や腸への血液の供給を高めることでショック症状を改善させます。

≪ 副作用 ≫

麻痺性イレウス、四肢冷感、末梢虚血、壊疽、頻脈、動悸、嘔気、嘔吐、腹部膨満、腹痛、静脈炎、変性壊死、起毛

患者説明ポイント
勝手に薬を中止すると・・・?

透析中の低血圧により、十分な透析が行えない場合もあります。
透析不足を起こさないためにも透析中に血圧下降のある患者には昇圧薬が必要です。
また、低血圧の原因には、水分管理も重要となります。
病態に応じた適正なDWTの設定や適度な除水量についても時々見直すことも必要です。

他に注意したいこと

①決められた時間に必ず服用すること

②除水過多にならないためにも水分管理に注意すること

③普段の血圧管理を十分に行うこと

④心機能低下など,ほかに原因がある場合には適切な処置を行うこと

貧血改善治療薬(造血剤)

ヒトエリスロポエチン(rHuEPO)投与の開始基準

腎性貧血と診断され、血液検査でHb値が10g/dℓ未満(Ht30%)となった時点で、ヒトエリスロポエチンの投与が推奨されています。

目標値:週初めの透析前、臥床採血

Hb10~11g/㎗(Ht30~33%)が推奨。

エポジン(エポエチンベータ)・エスポー(エポエチンアルファー)

≪ 特徴 ≫

骨髄の赤血球系前駆細胞に働き、赤血球の産生を促します。

投与してからHb/Htが上昇するまでに約2~4週間必要です。

≪ 副作用 ≫

高血圧、血栓塞栓症、抗EPO抗体出現に起因する赤芽球勞(PRCA)、痙攣発作、透析効率の低下、体外循環回路残血凝血の増加、抗凝固薬必要量の増加、高カリウム血症、高リン血症、感冒様症状、幻視、骨髄線維症

≪ 透析性 ≫

分子量が大きいため透析で除去されないです。

ネスプ(ダルボポエチンアルファー)

≪ 特徴 ≫

造血ホルモンであるヒト エリスロポエチン(EPO)のアミノ酸配列の一部を改変し、活性に重要な役割を果たす新たな糖鎖を付加させた新規の遺伝子組換え糖たん白質製剤です。
新たに付加された糖鎖によって、従来のヒト エリスロポエチン製剤(EPO製剤)と比べて血液中での消失半減期が延長し、持続的な赤血球増加作用を発揮します。
この特性により、これまでのEPO製剤より少ない投与頻度(週1回)での貧血改善、また投与頻度の減少による感染等の医療事故のリスク軽減及び医療従事者の負担軽減が期待できます。
エポジンなどに比べて、半減期が3倍あるので投与回数はエポジンの1/3で可能です。

ミルセラ(CERA)

≪ 特徴 ≫

2011年4月22日、持続型赤血球造血刺激因子製剤エポエチンベータペゴル(商品名ミルセラ注)が製造承認を取得しました。
エポエチン ベータ(遺伝子組換え)に1分子の直鎖メトキシポリエチレングリコール(PEG)分子を化学的に結合させた長時間持続型の赤血球造血刺激因子製剤(ESA)。
エポジン注等の既存のESAよりも長い血中半減期を有し、静脈内投与および皮下投与ともに維持用量は4週間に1回と少ない投与頻度で腎性貧血治療のガイドラインの目標Hb値を達成することが可能となります。

貧血改善治療薬(鉄材)

透析患者への投与方法 

トランスフェリチン飽和度(TSAT)が20%以下で、フェリチンが50~100ng/mℓ以下ならエリスロポエチンの感受性が低下するため、鉄剤の投与が必要です。

フェジン(含糖酸化鉄注射薬)

≪ 特徴 ≫

鉄欠乏性貧血の補充療法

≪ 鉄の評価 ≫

TSAT=Fe(血清鉄)/TIBC(総鉄結合能)

≪ 副作用 ≫

ショック様症状、脈拍異常、血圧低下、呼吸困難・不快感、胸内苦悶感、悪心、嘔吐、骨痛、関節痛、骨軟化症

≪ 透析性 ≫

透析されません。

≪ 希釈方法 ≫

フェジンは含糖酸化鉄を含有する安定なコロイド性の静脈内注射用鉄剤です。
コロイド化している事で、体内での鉄イオン化による急性中毒反応を防げ、安定した血清鉄の上昇が得られます。
また製剤的に糖を含んでいるため「10~20%のブドウ糖注射液で5~10倍に希釈」が安心です。

メチコバール(メコバラミン注射薬)

≪ 特徴 ≫

末梢性神経障害、ビタミンB12欠乏の巨赤芽球性貧血の改善

≪ ビタミンB12とは? ≫

ビタミンB12は、細胞の発育や機能を正常に保つのに必要です。
とくに葉酸とともに、血液をつくるのに欠かせません。
また,神経の働きにも重要な役わりをしている。
不足すると貧血を起こしたり、末梢神経の働きが悪くなり手足がしびれたりします。

≪ 副作用 ≫

血圧降下、呼吸困難、アナフィラキシー様反応

≪ 透析性 ≫

透析で除去されます。

アスコルビン酸(ビタミンC)

≪ 特徴 ≫

主として機能的鉄欠乏状態でヒト・エリスロポエチン抵抗性の腎性貧血に有効とされていますが、evidenceはないです。
すなわち、フェリチン値が正常~高値でトランスフェリン飽和度(TSAT)が低く(<20%)、貯蔵鉄が有効に使用されない状態です。
アスコルビン酸はフェリチンや網内系組織から鉄を誘導し、ヘム生成に使用される鉄を増加させることが報告されています。
また、多くの血液透析患者では血漿中のアスコルビン酸濃度が正常よりも低いといわれており、そのようなケースで造血を促すことが期待できます。

≪ 副作用 ≫

胃部不快感、嘔気・嘔吐、下痢

≪ 透析性 ≫

透析で除去されます。

患者説明ポイント

貧血治療薬って何に効く薬?

造血ホルモンであるエリスロポエチンは(EPO)腎臓によりつくられます。
しかし、腎機能低下に伴い、EPOの産生能は低下し、赤血球をつくり出すための十分な量がつくられなくなるため、貧血になります。
また、鉄が欠乏している状態ではEPOの造血反応が低下するため、十分な鉄補給が必要です。

副作用チェック

EPOによる副作用としてもっとも重要なのは血圧上昇(高血圧の発症あるいは憎悪)や鉄剤による胃腸障害です。

他に注意したいこと

十分な透析を行い尿毒症症状を少しでも改善すること、鉄欠乏・低栄養状態を改善することが大切です。
急激なHt値の下降がある場合には、多くの場合,消化管出血の可能性があります。
消化管の検査をするとよいでしょう。EPOおよび鉄の欠乏による貧血がおもな原因であるため基本的にはそれらの補充療法が主体となります。
EPOについては、透析後血液回路より静注されますが、鉄剤の場合内服が可能です。
しかし、鉄剤による胃腸障害がある場合や服薬忘れによる十分な補充ができない場合には、これもEPO同様に透析後血液回路より静注されます。

活性型ビタミンD3作用

骨代謝による作用

・小腸からのCa吸収促進

・腎尿細管におけるCaの

再吸収

・破骨細胞の活性化などに

伴う骨吸収の促進

リンに対する作用

副甲状腺に対する作用

ロカルトロール(カルシトリオール)

≪ 特徴 ≫

天然型製剤であるため活性化を必要としません。そのため,血中濃度が比較的すみやかに上昇し消失します。副甲状腺細胞のビタミンD受容体に作用しPTHの合成・分泌を抑制する。作用は小腸におけるCa吸収の促進、骨吸収と骨形成の調節、腎尿細管でのCa再吸収の増加です。

≪ 副作用 ≫

高カルシウム血症,口渇,多飲,多尿、集中力障害、精神混乱などの意識障害、嘔気、嘔吐、筋肉痛

≪ 透析性 ≫

除去されません。

オキサロール

≪ 特徴 ≫

活性型ビタミンD3誘導体であり、ビタミンD3受容体に作用し、副甲状腺ホルモンの合成・分を抑制し、繊維性骨炎および骨代謝異常の改善作用により、血清PTH低下効果、高回転骨を示す骨組織・骨代謝の改善効果が認められます。
従来品で問題となっていた高Ca血症になりにくいといわれています。
また、マキサカルシトールの細胞増殖抑制作用、分化誘導作用などに注目して、難治性の慢性皮膚疾患である尋常性乾癬などの治療に軟膏剤としても使用されています。

≪ 副作用 ≫

高Ca血症、掻痒感、CPK上昇、イライラ感、ミオグロビン上昇、LDH上昇、血清無機リン上昇、白血球分画異常、不眠

≪透析患者への投与方法≫

血清Caが11mg/㎗以上:減量

11.5mg/㎗以上:投与中止

i-PTH150pg/mℓ以下:投与中止

血管拡張薬

パルクス(リポPGE1)

《適応》 閉塞性動脈硬化症や末梢循環障害のある患などの末梢血管拡張薬

《特徴》 PGE1を脂肪の粒子の中に入れた製剤

障害のある血管だけに集中

《副作用》 血管拡張により頭痛、顔面紅潮、動悸、血圧低下

患者説明ポイント

活性型ビタミンD3製剤って何に効く薬?

皮膚でできたビタミンDはそのままでは役に立たず、体内で吸収された後、肝臓へ運ばれます。
ついで腎臓に運ばれ、そこで活性型ビタミンD3になり下の①~③のはたらきをします。
腎機能の低下では、活性型ビタミンD3の生成が低下し、不足状態が続きます。その結果、二次性機能亢進症や血清Ca濃度の低下、血清P濃度の上昇をひき起こします。
そうならないよう、活性型ビタミンD3製剤は以下のようなはたらきをします。

①副甲状腺ホルモンの分泌抑制
②腸管でのCaの吸収促進
③腎尿細管におけるCaの再吸収

副作用チェック

活性型ビタミンD3製剤の服用により、高Ca血症をひき起こすこともあります。
高Ca血症の症状として、食欲不振,悪心などの消化器症状や痒み、不眠、イライラ感などがあります。
勝手に薬を中止すると活性型ビタミンD3製剤を指示された通りに服用しないと、副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰分泌が続き、透析骨折(腎性骨異栄養症)と考えられている線維性骨炎の原因になります。

①直接的な症状:骨代謝障害による骨折や骨痛、関節痛

②間接的な症状:痒みやイライラ感など

③血清中のCa値とリン値の積(Ca×P)の増加:異所性石灰化の促進、とくに血管壁の石灰化は動脈硬化の進展を促し、重篤な心血管合併症をひき起こすことになります。

他に注意したいこと

二次性副甲状腺機能亢進症の治療を目的として、活性型ビタミンD3製剤を十分に使用するためには高リン血症の抑制が重要です。

透析患者と感染

透析患者で免疫能が低下する原因の詳細はわかっていませんが,尿毒症性物質の蓄積,酸化ストレス,栄養障害、ビタミンDの不足、細胞内における鉄過剰などの関与が考えられています。
さらに、透析に伴う穿刺手技、体外循環、人工血管の留置などの治療行為によって感染リスクは高くなります。

透析患者の死亡原因(2019年慢性透析患者の動態)

1位 心不全 全体の約22%

2位 感染症 全体の約21%

3位 悪性腫瘍 全体の約8.7%

抗生物質と抗菌薬について

抗生物質

・抗生物質とは・・・

微生物が産生する物質のうち、ほかの微生物の発育を阻害する化学物質です。

・選択毒性とは・・・

病原微生物(細菌や真菌)に対してのみ作用し、宿主細胞(人)に対する障害が少ないことです。

*抗生剤は分布容積が小さく、蛋白結合率が低いために透析で除去されやすいです。そのため透析終了時に注入することが多いです。

抗菌薬

殺菌的作用:病原体に対して微生物を破壊する

静菌的作用:増殖を阻止する作用

≪ 薬の種類と特徴 ≫

・細胞壁合成阻害薬:細菌の細胞壁合成を阻害し,殺菌

ペニシリン(ドイル、ペンマリン(PIPC)など) 、セフェム系(ロセフィン)(CTRX)、モベンゾシン(CAZ)、セファメジンα(CEZ)など) 、カルバペネム系(カルベニン、メロペン(MEPM)など)、ホスマイシン(ホスミシンなど)

・蛋白合成阻害薬:細菌増殖に必要な蛋白質合成を阻害

アミノグリコシド系(ゲンタシン(GM),エクサシン(ISP)など)、マクロライド系(クラリシッド(CAM)など) 、テトラサイクリン系(ミノサイクリン(MINO)など)

・核酸合成阻害薬:DNAジャイレース阻害により

DNA複製を阻害キノロン系(パズクロス(PZFX)、クラビット(LVFX)など)

作用特性

濃度依存的に作用するもの

(フルオロキノロン系、アミノグリコシド系など)

濃度依存的に作用する抗菌薬は最高血中濃度に依存して効果を示します。
さらに、PAE (post antibiotic effect:持続性)作用を持つことが知られています。
したがって1日量が同じであれば、1日2~3回に分割して投与するより1回で投与した方が有効です。

・時間依存的に作用するもの

(β-ラクタム系;ペニシリン系、セフェム系など)

時間依存的に作用する抗菌薬はMIC(最小発育阻止濃度)以上の濃度で、菌と接触する時間が長ければ長いほど有効です。
したがって1日2回よりも1日3~4 回投与の方が有効です。

患者説明ポイント

抗菌薬って何に効く薬?

抗菌薬は、菌の活動力を抑える(静菌的)作用や菌を死滅させる(殺菌性)作用があります。
薬によってそれぞれ特徴を有しており、例えば特定の細菌に対して選択的に強い抗菌作用をもつ薬や、特定の臓器に対して選択的に移行しやすい薬といったものがあります。
こうした薬剤の特徴を考慮し、病態に適した抗菌薬を選択するのが基本になります。

勝手に薬を中止にすると

感染症の内容や程度に応じて、抗菌薬が投与されます。
抗菌薬は感染症の原因となっている細菌(起因菌)に感受性のあるものが選択されますが、指示された量を指示された期間飲むことが重要です。
自己判断で効果を期待して過剰に服薬すると副作用を発現したり、薬剤に抵抗性のある耐性菌が出現することがあります。
また、治りきらないうちに休薬するとかえって治療期間が長引くことがあります。

他に注意したいこと

透析患者においては感染症により死亡する例は多く、心不全につぐものです。
特有なものとして、CAPDでは腹膜炎、カテーテル出口部感染、トンネル感染が、血液透析患者では内シャントの穿刺部や透析用留置カテーテルを介しての感染があります。
その他、尿量が少なく細菌を出せないため尿路感染も起こしやすくなります。
また、透析患者は免疫力が低下しているため、感染症にかかりやすいといわれています。
日頃からシャント穿刺部やカテーテル出口部の清潔維持,手洗いやうがいの励行、安静や十分な睡眠、栄養をとって体力づくりに心がけ感染症予防に努めることも大切です。

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