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一目で分かる透析患者に必要な検査【画像検査編】

 
かんちゃん
前回の一目で分かる透析患者に必要な検査項目【採血編】に引き続き、今回は画像診断編をお伝えしていきます。
少し長くなりますので目次で必要部部にジャンプしてご覧下さい。
 

胸部レントゲン写真

胸部X線写真の目的

・現在のドライウェイトが適正か観察するため

・異常陰影の早期発見のため 毎月1回撮影

≪ドライウェイト (DWT) の設定目標≫

胸部レントゲン写真で胸水や肺うっ血が無い

・心胸郭比が ♂50%以下、 ♀55%以下

・眼瞼や下肢などに浮腫が見られない

・血圧が正常 (BP140/90mmHg以下)

心胸郭比(CTR)の測定方法

a=最大胸郭横径

b=正中線からの左心線

c=正中線からの右心線

b+c=最大心横径

基準値

♂ 50%以下内

♀ 55% 以下

CTR=(b+c)/ax100

心胸郭比(CTR) が大きい場合

考えられる事⇒溢水、うっ血性心不全、 痩せた

DWTを下げる検討依頼を医師にする

溢水・・・体内に水が多い状態

(症状) 高血圧・呼吸苦・浮腫

うっ血性心不全 心臓に水が溜まり機能低下した状態

≪ (症状) 臥位時の呼吸困難

高齢者では主に倦怠感・便秘・食欲不振・活動量の低下

<痩せる原因>

・入院などの生活環境の変化による IN / OUT量の変化、

筋肉量の減少

・下痢、風邪などの体調の変化

CTRが小さい場合

太ってきたと考えられる

DWTを上げる検討依頼を医師にする

<太る原因>

・食事/水分量の増加

・筋肉量の増加

胸部X線写真での異常陰影

白い影 ⇒肺がん、肺結核 肺炎

黒い影(肺下葉) ⇒胸水 精園駅)

黒い影 (空気)⇒気胸、肺気腫

全身骨

全身骨検査の目的

・全身の各血管に異所性石灰化がないか、アミロイドーシス、 骨折や骨軟化症がないかを確認する

・全身骨検査から透析アミロイドーシス、 破壊性脊椎関節 (DSA)、骨折が分かる

眼底検査

透析患者の体の状態

・透析患者=易出血状態(抗凝固剤の使用、 高血圧や動脈硬化のため)

・糖尿病性腎症の悪化から透析導入した患者⇒糖尿病性網膜症を起こす危険性がある(血糖コントロール不良による糖尿病の進行)

眼底検査の目的

・網膜出血

・動脈硬化

・糖尿病性網膜症の有無を観察する

眼底検査から動脈硬化 脳腫瘍・高血圧などの全身の病気が推察できる(眼底の血管は人間の体の中で唯一直接に血管を観察できる部位である)

正常な眼底

正常な眼底は乳頭と呼ばれる部分から、 網膜の周辺にまで神経や血管が分布している

黄班と呼ばれる黒っぽい部分は、視神経が集まっている

高血圧性眼底

高血圧性眼底 は、 正常な眼底に比べ動脈が少し細く、 出血を認める

糖尿病性眼底

小さな出血が、 多数見られる 

高血糖が持続すると全身の血管に障害が生じる

便ヒトヘモグロビン

便ヒトヘモグロビン検査の目的・頻度

透析患者=易出血状態(抗凝固剤の使用、高血圧や動脈硬化のため)

消化管出血を早期発見するために年に4回 実施する

Hb・Htの値もチェックすること!!

陽性の場合

上部消化管内視鏡

大腸内視鏡などの精密検査が必要

心エコー検査

心エコー検査とは

心臓超音波検査とも言う

※超音波は人間の耳には聞こえない高い周波数の音波で、一方的に強く放射され直進性が高い

これを利用する

↓↓↓

超音波を心臓に発信し跳ね返ってくる信号(反射波)を受信

そして 「画像」 として表示する

※X線撮影のように放射線による被曝の心配がない

何がわかるか

「心室や心房の大きさ・暑さ」「壁の動き」「弁の形態や動き」など

① 心臓の形の異常を発見する形態的診断

② 心臓の働きをみる機能的診断

※心臓の動いている状態をそのまま観察できる

※透析患者では

「左心室壁肥厚」「左房室拡大」 「左室拡大」

「心嚢液貯留」「心膜肥厚」「弁の石灰化」 が見られる

所要時間

20~30分

検査について

・食事に左右されない

・仰臥位もしくは左側臥位

・プライバシーに配慮する

心エコー

①断層法

●胸骨左緑長軸像

●四腔断面

②Mモード法

●心臓の中の構造物の動きが、 横軸に時間として表記され、 内径や壁厚の計測を行える

③ドプラー法

心臓内の血流をカラー表示させ、 流速や方向を見て弁の逆流の有無を調べる

●カラードプラー法では、音源に近づく波は赤色、 遠ざかる波は青色で表示される

腹部エコー

腹部エコーとは

「肝臓」「胆嚢」「腎臓」「膵臓」「膀胱」 「前立腺」「子宮」「卵巣」が対象となるエコー

※機器の進展→ 「食道」や「胃」、「腸」などの消化管も対象

※仕組みは心エコーと同じで、 腹部エコーの場合は体内に発信した超音波が様々な臓器に当たり跳ね返ったそれを受診

検査の必要性

・中でも、「胆石・早期肝臓癌の発見」に有用!

※肝臓は沈黙の臓器と呼ばれている!

癌が発生しても大きくなるまで「症状が出ない」という特徴があるが、超音波検査では「早期の肝臓癌」も発見することが可能!!

・C型肝炎ウイルスが原因となっている慢性肝炎は、「肝硬変」や「肝臓癌」に移行する確立が高い! そのため、定期的な検査で早期の変化を捉える必要がある→腹部エコーが適応!

何がわかるのか

・腫瘍の有無・大きさ

・深達度(どのくらいの深さまで達しているか)

※映し出される画像は、臓器がリアルタイムで動いて見える!

※検査のため組織を採取したり、臓器の位置を確認しながら治療を行う時に使われる事もある

その仕組みは?

⇒組織によりそれぞれ基本的なパターンがあるが・・・

「腫瘍」 「ポリープ」 「炎症」 「結石」 などは周囲の正常な組織と組成が異なる

そのため、正常な組織との境界にコントラストが生じる

そのコントラストを指標に、医師は異常が生じている事を見つけ出す

特徴・・・

①苦痛がなく気軽に出来る

被爆の心配がなく繰り返し行える

そしてレントゲンのように被爆の心配が無く妊婦も行える

②装置が小型で移動も出来て患者さんの状態に合わせてベッドサイドでも検査できる

③腹部の聴診器とも言われ、リアルタイムに臓器が見え素早く診断が出来る

所要時間

10~20分

検査手順

①腹部を十分に広く出す為、 スカートやズボンは腰骨の下まで下げる

②検査台に仰向けになり、両手を頭の方に上げて手枕をしたような姿勢をとる

③まず腹部にゼリー(=臓器を見やすくする手伝いをするもの)を塗り、音波を出す探触子(プローブという、エコーに使用する機会に取り付けられたお腹を見ていくためのもの)を腹部に滑らせる

④プローブを腹部に押し当て、 腹部臓器の断面層の画像をモニターテレビで観察する

※この時、腹部臓器によっては横を向いたり、体位を変える

注意点

① 基本的に腹部に空気が多く存在すると、 画像がよく見えなくなる

→超音波は空気を通さないので、 その下(臓器)が見にくくなってしまう!

食事後は消化管内に空気が発生しやすいため、「絶食の状態」で行う。 →検査の6時間前より絶食、 AMの場合は前日21時以降絶食(ただし水のみ5時間前まで可能)

② 検査部位が「膀胱」の場合、尿が溜まっている方が詳しく観察出来るので、検査前の排尿は我慢するようにしていただく

③露出には充分に気を付け、プライバシーに配慮する(カーテンをする、 腹部以外にはバスタオルを掛けるなど)

腹部CT

腹部の横断面に多方向から「X線」 を照射しコンピュータ処理によって鮮明な横断面線を描き出す

→「肝臓」や「胆嚢」、「膵臓」など内視鏡で観察出来ない腹部臓器の病変を診断する際に有用である

何がわかるのか

① 「肝臓、胆道、膵臓などの腹部臓器原発の悪性腫瘍」の有無

②悪性腫瘍の進行度

③ 腹部リンパ節に移行していないか

④下痢や嘔吐等を伴う急性腹症が起きた際にその原因となる、「消化管穿孔」「胆石」「胆嚢炎」「膵炎」「尿路結石」(の診断)

検査について

一般的には

「単純CT撮影」 と 「造影CT撮影」 の2種類がある

① 造影剤を使用しない 「単純CT撮影」

②造影剤を使用する 「造影CT撮影」 →より明らかに判定出来る!

※近年ではどちらの場合も断層面5mmで撮影するため、小さな変化 (5mm以上) も読み取る事が出来る

所要時間: 20~40分

腹部CT

検査前日から当日まで準備

食事について・・

腹部エコーの項目参照

※胃の中に食物があると、 臓器の一部として写り込んでしまうため

服装について・..

① ネックレスなどの貴金属類が検査の妨げになる事があるため、 検査当日はアクセサリー類は外して行う

②当日は下着にワイヤーが入っていると写真に写ってしまうため 検査着に着替える (特に女性)

検査手順

① CT装置の寝台に仰向けに寝て検査を行うため、身体の力を抜いてリラックス

② 両腕を挙げる

※これは撮影時に腕が写り込んでしまうのを避けるため

ちなみに 「腹部・胸部・骨盤」 のCTは両腕を挙げるが「頭部・頚部」 のCTでは両腕を腹部の上に置く

③息を吸って、 止める

※X線を照射する時に身体が動くと画像が乱れてしまうので動いてはいけない

検査中に異常を感じたら…

CT装置にはマイクがついているので、検査中でも隣の操作室にいる放射線技士といつでも会話出来るようになっている

検査中に気分が悪くなったり、かゆみ等の症状が現れたら我慢せずに直ぐ知らせることを伝える!

検査後の注意点

食事・お風呂・・・

→通常通りで差し支えない。

造影剤を使用した場合···

→造影剤のほとんどは「尿」と一緒に排泄されるため、検査後は「充分に水分を摂る」 ! (約1日で造影剤の全量が排泄される)

透析患者の場合は、尿排泄が出来ない為血液透析で除去する

そのため、検査後に血液透析をする事が望ましい

頭部CT

透析患者の体の状態

透析患者⇒脳出血を合併しやすい

(抗凝固剤の使用、高血圧や動脈硬化のため)

発生頻度

健常者の3倍と言われている

頭部CTの目的・頻度

脳の萎縮

脳梗塞

脳内出血

脳腫瘍

脳内の血管の動脈硬化の有無・程度の観察

65歳以上の透析患者のみ毎年1回実施する

頭部外傷者は年齢を問わず、すぐに実施!!

心電図

心臓の働きを調べる事が出来て更に

① 心臓病の発見や診断 ② 病状の把握 ③ 治療効果の確認

④ 薬の副作用の発見 などに欠かせない検査である

何がわかるのか・検査の必要性

① 心臓の収縮・拡張が正常に行われているか 

②心筋に異常がないか

③冠状動脈(※)の血流の流れが円滑に行われているか

※心臓の筋肉に酸素と栄養を提供している動脈

動脈硬化の発見

所要時間: 3~5分

心電図の種類

① ホルター心電図

②モニター心電図

③ 十二誘導心電図

④ 負荷心電図

※一般的な心電図は安静状態で測定するが、

身体を動かして取る 「負荷心電図」や24時間通常の生活時にとる 「ホルター心電図」 などの検査も行われる

ホルター心電図

検査方法

胸にシール状の電極を貼り、 日常生活中の長時間の心電図|を記録してこれを解析して観察する

モニター心電図

検査方法

3つの電極を装着し (波形はひとつ)、 心電図等を長期間監視する装置で電波を利用してナースステーションでモニターするテレメータが主流である

※電極の位置→黄色・・・ 左鎖骨下  赤色・・・右鎖骨下 緑色・・・ 左肋骨下 (心臓下)

十二誘導心電図 と 胸部誘導心電図

十二誘導検査は、最も一般的に記録される心電図である

12本の心電図が記録されており、それぞれ「I」「II」 「iii」「VR」 「aVL」「aVF」 「V1~V6」と誘導の名前が付けられている

第誘導:左室の側壁を見る誘導

第II誘導 : 心臓を心尖部から見る誘導

四肢誘導で、波形が最も明瞭に描かれる

第II誘導 : 右室側面と左室下壁を見る誘導

aVR 誘導 : 右肩から心臓を見る誘導

逆転した波形が見られる

aVL誘導:左肩から心臓を見る誘導

aVF誘導 : 心臓を、ほぼ真下から見る誘導

胸部誘導の波形の捉え方は、 胸部のそれぞれの電極の位置が「目の位置」で、 そこから心臓を眺めているものと考える

V1誘導 ()

主に右室側から心臓を見る誘導

V2誘導 ( )

右室と左室前壁側から心臓を見る誘導

V3 誘導 ()

心室中隔と左室前壁から心臓を見る誘導

移行帯が見られる

V4誘導 ()

心室中隔と左室前壁方向を見る誘導

V5誘導 (黒)

左室前壁と側壁を見る誘導

V6誘導 ()

左室側壁を見る誘導

胸部誘導電極の装着方法

第4肋間を探す場合、胸骨の上にある胸骨角(胸骨の突起部分)が第2肋骨と平行していることから胸骨角を目安として第2肋間、 第3肋間、第4肋間と順に探る方法もある

※最も覚えやすい装着方向

→ あきみちゃくむ

検査方法

① 上半身裸にになり検査台に仰向けで寝る

②電極を着ける部分に皮膚と電極間の電気を通りやすくするクリームを塗る

※多くは両手首と両足首、胸6か所電極を取り付ける

(胸部誘導) その他、 両手首と両足首の3か所だけで測定する (四肢誘導)など、必要に応じて電極の数を増減する

③心電図のスイッチを入れて、心臓の拍動に伴って起こる微細な電位変動を記録していく

「エルゴメーター」という自転車のようなものを漕いでもらい、その間の心電図の変化を見る

漕ぐペダルの重さを徐々に重くしていき、 体にかかる負荷を増やしていく

運動で心臓に一定の負担を掛けつつあるいはその直後に行い心筋の変化を観察する

「狭心症の診断」「心肺機能検査」として用いる

1回分の心臓の収縮は、

P波 (心房の収縮)

QRS波 (心室の収縮)

T波 (心室の収縮の終了) で表示される

心臓の拍動が規則的に行われていれば、 P波は常に一定間隔で出現

ただし健康な人でも体調によって心臓の不規則な収縮 (期外収縮)

が起こり、QRS波に乱れを生じる事がある

波形の異常 ・ 判定

心拍数: 60回/分以上、100回/分未満

リズム: PP間隔、 RR間隔は一定

波形 : * 記録紙の方眼マス目は5mm=0.2秒

P波:高さ2.5mm 以内 幅 2.75mm以内

PQ間隔 : 3~5mm

QRS波: 高さ26mm以下 幅 2.5mm

QT間隔: 0.45秒以下

ST部分: 基線の高さ

T波: QRS波と同じ向き

骨密度

骨密度とは

骨の中にある「カルシウム」 「マグネシウム」などミネラル成分がどのくらいあるかを計測する検査

何がわかるか

骨量(骨年齢)

骨粗鬆症(の診断)

所要時間

約15分 (着替え含め)

検査の必要性

透析患者さんの場合・・・

①腸からカルシウムが吸収されにくくなっている

②骨からカルシウムを遊離させるホルモンが多く分泌されやすくなっている

多くの患者さんの骨がもろくなっている

この骨の状態を見るために骨密度の検査を行っている

※透析患者さんでは···

腎臓で作られる「活性型ビタミンD3 (血液中のカルシウムを増加させる働きがある)」が産生されなくなるため、血液中のカルシウムが低下してしまう。 更にリンがたまるとカルシウムはリンと結合するために血液中のカルシウムはますます低下して、 「低カルシウム血症」になる

YAMについて

YAMとは 「Young Adult Mean」 のこと

=若年健常成人平均値

結果判定

「骨密度が最大に達する20~44歳の骨密度」

※正常・骨量減少・骨粗鬆症の判断は、 どの検査でもYAMが基準

YAM の80%以上

YAMの70 以上 80%未満

YAMの70%未満

正常

骨密度

超音波を用いた方法

QUS法(超音波法)・・・

測定部位は「踵骨」

超音波を当てて骨密度を測定する方法

踵の骨の中を超音波が通る時の速度や量から数値を出す

※X線を使わないので妊婦の測定も可能

※精度はやや落ちるが、 測定時の被爆量が少ない

※主に「生検のスクリーニング」で用いられる

レントゲンを用いた方法

DXA法

測定部位は「前腕骨」や 「脊柱」 「全身骨」だが、通常は最も早く病気を発見出来るので腰椎で測定を行う

二重のX線の吸収の差により骨量を測定する

脂肪など軟骨組織の影響を除外出来る

※腰椎DXA法=標準的な測定方法

※最も精度の高い方法

※放射線を浴びる量もわずかで済む

MD法

測定部位は「第二中手骨」

階段状のアルミニウム板と手を並べて撮影し、アルミニウムの厚さと比較して測定

※検査が短時間で済むので、 多数例のスクリーニング検査に適している

他にもDIPやCXDなどがあり、

主に「第二中手骨」の測定を行っている

MDと同様に、 X線写真上の光学的吸収度から測定

(ただし、 MDより精度は良い )

CTを用いた方法

pQCT法

測定部位は「前腕骨」

X線によるコンピュータ断層撮影を行って測定する

=CT装置測定

※末梢骨の骨量測定は精度が高い

注意点・指導

① 検査時間は腰椎で約30秒、 股関節で20秒掛かる

その間動くと測定出来ないため動かないようにしていただく

② 測定部位に金属類やボタン、 湿布等あると機械が骨の一部として認識し撮影されてしまうため、予め外していただく

また、 胃の検査でバリウムを飲んでしまっている場合にも測定時に骨と認識してしまうため、その前に骨密度の検査を行う

ABI (足関節上腕血圧比) PWV (脈波伝播速度)

ABI検査とPWV検査

ベッドの上に仰向けになり、

①両側の腕と両足に血圧計の帯(カフ)

② 心電図の電極

③心音マイクを装着

※基本、PWVとABIは

一緒に測定する

検査の必要性

手と足の血圧の比較や脈波の伝わり方を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表す

PWV検査(脈波伝播速度)

・脈波伝播速度とは

心臓の拍動 (脈波)が動脈を通じて手や足にまで届く速度のこと

・所要時間3~5

・測定方法

腕と足の4箇所のセンサー間の距離と拍動の到達所要時間を計測する

数値が高いほど動脈硬化が進行していることを意味する!

・計算式=両センサーの距離÷脈波の到達所要時間

PWV値が 13.5以上…

「動脈硬化」が進行している

何がわかるか

「動脈硬化の度合い(血管の老化)」「早期血管障害 (アテローム動脈硬化の進行程度、血管の狭窄や閉塞など)」

動脈硬化が進んでいない場合⇒横になった状態で両腕と両足の血圧を測ると、足首が 「やや高い値」

動脈に狭窄や閉塞がある場合 その部分の血圧は「低下」する!

※動脈壁が厚くなったり硬くなったりすると、 動脈壁の弾力性がなくなり脈波が伝わる速度が速くなる

ABI (足関節上腕血圧比 )

ABIとは

足首で測った血圧を上腕で測った血圧で割った数値のこと

※計算式= 足首の最高血圧÷上腕の最高血圧

ABI 値が 0.9以下・・・症状の有無に関わらず動脈硬化が疑われる

何がわかるか

ABIの数値で血管

の「詰まり具合」がわかる

※足をマメにチェックし、

「痛み」や「冷感」、「皮膚の色や爪の異常」などを見つけるのが早期発見の一番の近道

血管が詰まると・・・

「動脈硬化」や「血管内に石灰」が起こる!

・PAD (末梢動脈疾患)

ABIは非侵襲的な検査

数値として評価できるためPAD患者の早期発見に有用

心血管疾患や脳血管疾患など他臓器障害との合併が多く見られることからも、早期発見が重要である!

ABI検査とPWV検査

注意点・指導

① 血圧や心拍数が検査結果に影響を与える事があるため検査前はなるべく安静にしていただく

② 両手首にセンサーを取り付けるため、 腕時計やブレスレットなどは外していただく

③HD 後は血圧下降・血管収縮などの面から測定が難しい為、 HD前または非HD日に行う

 
かんちゃん
ふー長かったですね・・・
いろいろ書いてるうちに長くなりすぎてしまいました。
お付き合いありがとうございました。
お疲れさまでした。

 

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